ナチュラリスト講座 奥入瀬フィールドミュージアム・コラム

ナチュラリスト講座

奥入瀬は,勾配ゆるやかにして純度の高い自然を満喫できる,まさに天然の野外博物館。
ここでは、登る・走る・ウォーキングするといった,一般的なアウトドア・アクティビティとは一線を画した 「あるく・たたずむ・うずくまる」が基本スタイル。
立ちどまるからこそ見えてくる,森羅万象のかずかず。
足もとのコケから頭上の鳥たちまで,奥入瀬の「作品」をゆっくり・じっくり・たっぷりと楽しみましょう。
自然のことについてはあんまり詳しくないけれど,できればもっと深く楽しむためのアドバイスがほしい。
ただ見流すだけではない,ちょっとした「自然の見方」を身につけるためのヒントが,もう少しほしい。そんなあなたのためのコラムです。
奥入瀬の自然の「しくみ」と「なりたち」を,いろいろなエピソードを通し,わかりやすく紹介していきます。

ナチュラリスト講座 講座一覧

2022・10・10

#62 クズは木なのか草なのか?

クズといえば、ごくごく身近な蔓植物。しかし木なのか草なのか?図鑑によっては樹木にも、草にも分けられていますが、手許の本の多くでは「多年草つる性の草本」ということになっています。地上を這っている当年生の蔓は緑色で軟らかいので、いかにも草という感じがします。しかし越冬した多年生は硬化(木質化)していて、どう見ても木の幹です。
2022・08・01

#58 森の水鳥オシドリ(その一)

「おしどり夫婦」で有名なオシドリ。おもに北日本で繁殖し、関東以西で越冬する淡水性のカモです。奥入瀬渓流、十和田湖、蔦の森の水辺で、毎年子育てをしています。奥入瀬なら下流域の川幅の広めのところ、十和田湖ならば樹木の多い入江、蔦の森であれば蔦沼や菅沼、長沼などが観察ポイントでしょうか。毎年、仲睦まじい夫婦の姿が見られます。
2022・07・20

#57 「蜂を食べる鷹」を知っていますか?

このタカの特徴は、なんといっても「ハチを食べる」という、その食生活にあります。かくも特異な嗜好を持った猛禽類は、ほかにはちょっと見当たりません。スズメバチももちろんのこと、地バチと呼ばれるクロスズメバチが大好物。地中に作られた巣を、その頑丈な脚で掘り出し、中にいる幼虫やさなぎを器用に引きずり出しては、ばくばくと食べてしまうのです。
2022・07・01

#56 「幽霊茸」の下には死体が眠る?

ほのかな妖美さを身にまとい、奇怪にして幻想的なイメージのよく似あうギンリョウソウは、その生態もまた謎めいています。自活する能力を持たないため、根の部分に落ち葉の分解者である菌類を棲まわせ、そこから栄養を頂戴しているのです。多くの植物は、葉や茎で自ら光合成をおこなって栄養分を得ています。ところがそういう方法を取らず、外部から栄養を取り込んで暮らしている植物もあるのです。
2022・06・16

#55 花ぬすびと

野生動植物の減少は、一般に、開発による自然破壊が主であり、それに次いで、悪質な個人コレクターや業者による大規模盗掘の影響が大きいといわれますが、こと野生ランについては、開発よりも販売目的の大量盗掘こそが最大の激減要因となっています。ニンゲンという生きものの精神的貧困が招いた、情けない悲劇です。そしてそれは、ここ奥入瀬においてもそれは同様なのです。

ナチュラリスト講座

奥入瀬の自然の「しくみ」と「なりたち」を,さまざまなエピソードで解説する『ナチュラリスト講座』

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奥入瀬を「天然の野外博物館」と見る,新しい観光スタイルについて考える『エコツーリズム講座』

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奥入瀬散策において想定される,さまざまな危険についての対処法を学ぶ『リスクマネジメント講座』

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