ナチュラリスト講座 奥入瀬フィールドミュージアム・コラム

ナチュラリスト講座

奥入瀬は,勾配ゆるやかにして純度の高い自然を満喫できる,まさに天然の野外博物館。
ここでは、登る・走る・ウォーキングするといった,一般的なアウトドア・アクティビティとは一線を画した 「あるく・たたずむ・うずくまる」が基本スタイル。
立ちどまるからこそ見えてくる,森羅万象のかずかず。
足もとのコケから頭上の鳥たちまで,奥入瀬の「作品」をゆっくり・じっくり・たっぷりと楽しみましょう。
自然のことについてはあんまり詳しくないけれど,できればもっと深く楽しむためのアドバイスがほしい。
ただ見流すだけではない,ちょっとした「自然の見方」を身につけるためのヒントが,もう少しほしい。そんなあなたのためのコラムです。
奥入瀬の自然の「しくみ」と「なりたち」を,いろいろなエピソードを通し,わかりやすく紹介していきます。

ナチュラリスト講座 講座一覧

2022・08・01

#58 森の水鳥オシドリ(その一)

「おしどり夫婦」で有名なオシドリ。おもに北日本で繁殖し、関東以西で越冬する淡水性のカモです。奥入瀬渓流、十和田湖、蔦の森の水辺で、毎年子育てをしている水禽類です。奥入瀬渓流なら下流域の川幅の広めのところ、十和田湖畔ならば樹木の多い入江、蔦の森であれば蔦沼や菅沼、長沼などが観察ポイントでしょうか。写真は奥入瀬の紫明渓で毎年見られる仲睦まじいオシドリの夫婦です。
2022・07・20

#57 「蜂を食べる鷹」を知っていますか?

このタカの特徴は、なんといっても「ハチを食べる」という、その食生活にあります。かくも特異な嗜好を持った猛禽類は、ほかにはちょっと見当たりません。スズメバチももちろんのこと、地バチと呼ばれるクロスズメバチが大好物。地中に作られた巣を、その頑丈な脚で掘り出し、中にいる幼虫やさなぎを器用に引きずり出しては、ばくばくと食べてしまうのです。
2022・07・01

#56 「幽霊茸」の下には死体が眠る?

ほのかな妖美さを身にまとい、奇怪にして幻想的なイメージのよく似あうギンリョウソウは、その生態もまた謎めいています。自活する能力を持たないため、根の部分に落ち葉の分解者である菌類を棲まわせ、そこから栄養を頂戴しているのです。多くの植物は、葉や茎で自ら光合成をおこなって栄養分を得ています。ところがそういう方法を取らず、外部から栄養を取り込んで暮らしている植物もあるのです。
2022・06・16

#55 花ぬすびと

野生動植物の減少は、一般に、開発による自然破壊が主であり、それに次いで、悪質な個人コレクターや業者による大規模盗掘の影響が大きいといわれますが、こと野生ランについては、開発よりも販売目的の大量盗掘こそが最大の激減要因となっています。ニンゲンという生きものの精神的貧困が招いた、情けない悲劇です。そしてそれは、ここ奥入瀬においてもそれは同様なのです。
2022・03・30

#53 早春の森の樹幹に耳をあて神秘の音色に心澄まして

樹の幹に耳や聴診器をあてると、いろいろな音が聞こえてきます。葉が風にそよぐ音すれる音、枝の揺れる音、幹のきしみ、地面の振動、近くを車が走る音、川の流れる音……などなど、いろいろな可能性が考えられるものの、近年よく批判的に言われる「樹液の流れる音」がまったくの聞こえないのかといえば、実はそういうわけでもないようなのです。
2022・02・24

#51 清廉な色香を放つ雪の肌

かつて豊穣な自然のイメージを聖書になぞらえた世界で表現した先駆的な天才フォトグラファーがいました。彼の作品に、ある有名な雪の写真があります。雪のうねる造形美を、女性の背面ヌードに見立てて表現した一枚です。これはものすごい作品でした。雪の持つ聖性、はかなさを、清楚なエロチシズムで描いてみせたのです。清廉な色香を放つ、その「雪の肌」はこれまでたくさんの人々を魅了してきました。
2022・02・10

#50 深遠なる冬の森は、ただ明るいだけではない

森と人のつきあいは、科学や芸術、スポーツといった範疇にのみ、とどまるものではありません。そこにはいろいろな側面があります。明るく、楽しく、清々しいのは、森の一面にすぎません。特に冬の巨樹には、何か不思議な力が宿っているようです。ひとり黙して見上げていると、深遠な気持になってきます。

ナチュラリスト講座

奥入瀬の自然の「しくみ」と「なりたち」を,さまざまなエピソードで解説する『ナチュラリスト講座』

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奥入瀬を「天然の野外博物館」と見る,新しい観光スタイルについて考える『エコツーリズム講座』

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リスクマネジメント講座

奥入瀬散策において想定される,さまざまな危険についての対処法を学ぶ『リスクマネジメント講座』

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