エコツーリズム講座 奥入瀬フィールドミュージアム・コラム

エコツーリズム講座

観光とは,読んで字のごとく「光を観る」行為です。「光」とは,その土地の魅力であり,特質であり,そして輝きです。
「見る」ではなく「観る」という字があてられているのも,対象をただ眺めるだけではなく,「観察する」という能動性を表しているためです。
これまで奥入瀬渓流や十和田湖が「売り」としてきたものは「景観の美しさ」でした。しかし優れた景色を誇る渓流や湖ならば,他所にもたくさんあります。
自然が素晴らしいのは,全国どこの観光地でも同じです。単に「眺めがきれい」というだけでは,その土地の特長をアピールすることにはなりません。
「景観美を讃えるだけ」だった従来の観光誘致から、地域の自然の「質」を語るプロモーションへの転換をはかること。奥入瀬・十和田湖観光に関わる誰もが,この地の「どこが」「どのように」魅力的なのかを,きちんと具体的にプレゼンテーションできるようになることを目標とするべきはないでしょうか。
この講座では,奥入瀬の新たな観光モデルを,渓流遊歩道そのものを天然の野外博物館とみなす「フィールドミュージアム構想」として提案し,奥入瀬におけるエコツーリズムの将来ビジョンとその課題について考えていきたいと思います。
「見流す」だけの観光地から,「観る」を味わう観光地へ。

エコツーリズム講座 講座一覧

2020・07・31

#21 フィールドミュージアム構想実現のために(3の1)

エコツーリズムを推進していくために不可欠なのは、現地調査に基づいた幅広い知見を有し、それを適切に伝えられる案内能力を持ったネイチャーガイドの存在と、その育成システムです。ネイチャーガイドの役割は、自然環境と人間社会との「橋渡し」をすること。優れたガイドにはエデュケーターおよびキュレーターとしての能力が求められます。
2020・03・20

#20 フィールドミュージアム構想実現のために(2の2)

奥入瀬の自然についての総合的な解説書が存在しなかったということは、この地域のエコツーリズムの推進をはばむ憂慮すべき問題でした。それは公園利用者に自然情報を提供できないということ以前に、奥入瀬がどのような魅力と価値を有する場所で、どのように楽しむべき場所なのかという明確な指針の欠如でした。
2020・03・06

#19 フィールドミュージアム構想実現のために(2の1)

調査対象の概要を整理し、その情報を基にした「自然観光資源」の分布状況を行ってみました。奥入瀬のどこに・何が・どのくらいあるのかを、エコツーリズムの観点から大局的に整理し、ビジターに対して、ガイドが「どこで・何を・どのように案内することが可能なのか」をプランニングするための知見収集です。
2020・02・21

#18 フィールドミュージアム構想実現のために(1の3)

前回に続いて、ミニマムなモニタリング調査の対象となる分野(カテゴリー)について述べていきます。シダ類・蘚苔類・地衣類・菌類・野鳥・哺乳類・両生類・爬虫類・魚類・昆虫類・地質に加えて、ヤマセなどの気象や歴史・民俗、また水資源利用などもエコツーリズムにおいては重要な観光資源となります。
2020・02・15

#17 フィールドミュージアム構想実現のために(1の2)

エコツーリズム推進のためには地域の自然の「基礎的な調査」の継続が不可欠です。それは樹木・野草・シダ類・蘚苔類・地衣類・菌類・野鳥・哺乳類・両生類・爬虫類・魚類・昆虫類・地質と、多分野にまたがります。学術調査クラスのものは無理でも、ミニマムな規模でのモニタリング調査ならばどうでしょう。

ナチュラリスト講座

奥入瀬の自然の「しくみ」と「なりたち」を,さまざまなエピソードで解説する『ナチュラリスト講座』

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エコツーリズム講座

奥入瀬を「天然の野外博物館」と見る,新しい観光スタイルについて考える『エコツーリズム講座』

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リスクマネジメント講座

奥入瀬散策において想定される,さまざまな危険についての対処法を学ぶ『リスクマネジメント講座』

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