Home » 奥入瀬フィールドミュージアム » 奥入瀬・十和田湖のなりたち
十和田湖の成り立ち
十和田湖は、現在も活動を続けている「十和田火山」です。約20万年前から活動をはじめた十和田火山は、約5万5千年前から1万5千年前の間に、大規模な噴火を繰り返すようになりました。大量の火砕流を噴出すると共に、火山体の中心部が陥没をはじめます。少なくとも3回の火砕流噴火によって陥没が進み、約1万5千年前に現在の十和田湖の原型であるほぼ四角形のカルデラが形成され、そこに水が溜まってできたのが十和田湖です。その後、湖の決壊による大洪水で奥入瀬の渓谷が生まれます。十和田火山はその後も噴火活動を続け、最新の噴火は約1千年前に起こりました。
※2016年12月1日より常時観測火山に追加されました
奥入瀬渓流の成り立ち
奥入瀬の遊歩道から見られる滝や岩壁のほとんどは、約76万年前に20キロほど離れた八甲田カルデラから噴出した火砕流堆積物で、膨大な量の軽石や火山灰が堆積して圧縮・固結した溶結凝灰岩と呼ばれるものです。この火砕流台地が、十和田湖の決壊による大洪水で侵食され、深い谷が形成されます。それが奥入瀬の谷の原地形です。
奥入瀬川の流出口である現在の「子ノ口」は、地史的な面から見ても奥入瀬の「はじまり」の場所なのです。
約5万5千年前から約1万年前に発生した噴火に伴うマグマ 溜まりの崩壊と陥没によって十和田カルデラが形成。
雨水、森林からの流入水、湖底からの湧水などによりカルデラに水が溜まりはじめ、やがて十和田湖が形成。
水位が上昇し、約1万5千年前に湖岸が決壊。大洪水が発生し、火砕流台地を削り取るように流下、奥入瀬川となる。
洪水により湖の水位が低下、その後も少しずつ浸食が続き、 現在の姿になった。
奥入瀬渓流の成り立ち
奥入瀬の遊歩道から見られる滝や岩壁のほとんどは、約76万年前に20キロほど離れた八甲田カルデラから噴出した火砕流堆積物で、膨大な量の軽石や火山灰が堆積して圧縮・固結した溶結凝灰岩と呼ばれるものです。この火砕流台地が、十和田湖の決壊による大洪水で侵食され、深い谷が形成されます。それが奥入瀬の谷の原地形です。
奥入瀬川の流出口である現在の「子ノ口」は、地史的な面から見ても奥入瀬の「はじまり」の場所なのです。
十和田湖から見た子ノ口。まさに、かつて外輪山だったこの部分が決壊し、カルデラの湖水が流れ出したことで奥入瀬の深い谷が形成されたことがよくわかります。
※白い霧は、奥入瀬から流れ込むヤマセ